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肥後物産通信3月号「い草原料が入手困難な状況について」

 昨年秋頃より、加工専門業者(原料い草を買って製織される生産者)では、数年前と比べ「思うような、い草原料が手に入らいない」と聞かれます。関係者に聞くと

  • 不作が2年続いた事と生産者の減少で、販売にまわせる原草そのものが少ない
  • 原草市場の出品は下草(100cm以下)の割合が多く、目当ての長い(130cm以上)の割合は1割にも満たない
  • 畳表の相場が良いことから、基本的に品質の良い原草は生産者で畳表に加工してしまう

といった声が多いようです。

 こういった状況を予測され、加工専門業者では生産者から直接原草を買い取る働きもしている。との事ですが、不作によって収量が少ないことから各生産者で織り尽くしてしまうところや、良質な原料はもちろん生産者で確保される為、直接取引においてもなかなか手に入らないようです。

 

 右の図は昨年(平成28年度)の1戸当りの平均作付け面積を表現したものになります。1.24ha(ヘクタール)の作付面積は、基本的に各生産者において1年間で織り尽くしてしまう収穫量です。

このため販売されるい草原草は、反収が低い100cm以下の選別い草が主となります。

 

 

 このような状況から、品質の良い原草や長い草は相場が高値となっており、弊社でも長い草で織られた品質の良い市松表や目積表は在庫が少なく、入荷はしても原料価格の上昇から販売価格も高くなりがちとなっています。加工業者によってはみどり草が手にはいらない事から涼風の目積が生産が始まったところもあります。