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肥後物産通信2月号「平成30年第2回 産地研修報告」

製織体験
製織体験

 産地研修第2回は北海道、関東、中部、東海、関西、中国、九州より20名の畳店様が来社されました。

 第1回同様、初日の研修会では基本コースは品質の見分け方の習得を行い、応用コースは基本コースで得た知識を生かし、実際に価値の違いが伝わり結果的に品質の良いものが売れていく「仕組みづくり」を行いました。

(応用コース:良いものが売れていくためのひな型を設定し、各項目をレベル0〜5までに分けたメニュー表を使って、それぞれのお店ごとにどうなっているのかデータを入力した後グラフ化し、課題を明確にして取り組む実行計画書作を作成する)

 

基本コース
基本コース

 第2回のワンランク上の商品販売率のアンケート結果は平均28%アップとなり、第1回(44%)を含めた集計では平均36%アップとなりました。(研修参加2回目以降の方対象アンケートより)

 

 2日目の体験は4班に別れ、実際に畳表を製織してもらい、同じ織機で織っても、それぞれの生産者の工程や手間のかけ方による品質の違いを体験しました。生憎の雨天となり、製織を行うには厳しい環境となりましたが、ご協力頂きました生産者の方々の配慮には感謝を申し上げます。

 

 この度の製織体験にご協力頂きました、吉田様、小嶋様、江嶋様、上本様、また第1回に続き研修会・製織体験において、より深い専門知識を紹介頂きました森崎様には大変お世話になりました。

応用コース
応用コース

◎実施日:平成 30年2月9(金)〜 10日(土)

◎参加者:20名

◎目的:トップクラス生産者の製織作業を体験する事で品質の説明により幅を広げ、お客様への価値提案力を高める

◎目的の達成度(平均 88.8% アンケート集計)

◎研修参加2回目以降方対象のアンケート

研修参加後のワンランク上の商品販売率(平均 28%アップ アンケート集計)

◎研修内容

 1、品質勉強会(基本コース 12名、応用コース 8名)

   基本コース:品質の見分け方の習得

   応用コース:取り組むべき課題の実行計画書作成

 2、生産者の製織作業体験、圃場見学

 

吉田様での体験風景
吉田様での体験風景

<コメント>

基本コース

・今回の私の目標であった国産表の良い商品をお客様へどう提案するか?また送られてくる畳表の1枚1枚が、どのような思いで作られているのかを勉強させて頂きました。今度は私がお客様にこの研修で学んだことを伝えます。(北海道 M畳店)

 

・今回参加の目的は、いかにお客様にいい商品を理解されて購入していただくか。その為にはどういう説明が必要なのか?それらの再認識をしたくて参加させて頂きました。勉強会でい草の事を学び、今までにない新しい提案をお客様に出来るようになると思います。次回は応用コースでもっと深く学べればと思います。(熊本県 K畳店)

 

小嶋様での体験風景
小嶋様での体験風景

・勉強会ではまだ分かりずらい所もありますが、少しでもこれからの営業に活かしていきたいです。製織体験もお客さんに伝えて、良い物を販売できるようにしたい。他の都道府県の畳店様と話しができ良かったです。(広島県 I畳店)

 

・畳表の見分け方が変わった。い草を農産物として深く知る事が出来た。今回が初めてでしたのでまた参加したい。製織は以前にも体験した事はあるが、農家さんによってこだわるところが変わるので、畳表の見方が変わりました。(埼玉県 S畳店)

 

・勉強会ではい草の成長の話しを聞き、とても勉強になりました。製織体験も初めてのことで、とても良い経験になりました。(広島県 W畳店)

江嶋様での体験風景
江嶋様での体験風景

・初日勉強会もとてもわかりやすく良かったです。実際にい草を手に取り、製織体験をさせて頂いたので、い草の特性などが細かくわかり、お客様にい草の違いを説明する時にとても役立ちます。これから良い畳表を薦めていきたいと思います。(東京都 O畳店)

 

・新しい話しや質問も出来て良かったです。何度も熊本に来ていますが、毎回新しい発見や商売に繋がる話しも多く、来て良かったです。やはり来て発見、見て感動、帰って伝導のサイクルをつくり、お客様に感動を伝えていく畳店を目指します。(山梨県 H畳店)

 

・畳表に対して向き合う気持ちをもっと考え、日本に残していく努力を増々していきたいと思いました。製織体験ではいろいろと経験できない事を体験できた事で、今回自分自身が変われたと思っています。(北海道 T畳店)

上本様での体験風景
上本様での体験風景

・畳屋の娘に生まれて50年以上、畳と暮らしてきたのに初めて知る事が多く、驚きからもっと知りたい好奇心へと変わりました。30代の頃、生産者宅へ行った事はありましたが初めての体験を通して、い草農家の大変さや思いを知り、上本様ご一家のい草への思いを体と心で感じ、感動致しました。また、日本人の物作りの心を持っていた父や職人さん達の心も思い出しました。夜の食事会も、同じ思いの方々と出会いとても楽しいひと時でした。(熊本県 W畳店)

 

応用コース

・今回もよい体験をさせて頂きありがとうございました。勉強会では自分の店について数字で表す事で何が足りないのか大変よく分かりました。帰ってから妻などにもやらせてみたいと思いました。製織体験では農家さんの大変苦労されている事がわかり、その事を消費者にうまく伝えたいとあらためて考えさせられました。小嶋さんご夫婦にとても感謝しています。農家さん産地問屋さん全国の畳屋さんとまた新たな交流も出来てこの研修はとても良いと思います。(愛知県 T畳店)

現在のい草生育を確認
現在のい草生育を確認

・もう少し基本的ない草の勉強をし直してから、もう一度製織体験をしたいと感じましたので次回は基本コースに参加したいと思います。勉強会では自分の立ち位置がはっきりした。長野に戻ったら出来ることはすぐに始めようと思います。(長野県 H畳店)

 

・前回参加してたことも大きかったかもしれませんが、より理解しやすい内容になっていたので満足させていただきました。(北海道 N畳店)

 

・勉強会では当店の課題をみつけることが出来ました。(兵庫県 A畳店)

 

・4回目の参加になりますが、来るたびに新しい発見や知識を手に入れる事ができるので良いです。回数を重ねるたびに満足度が上がっています。(京都府 O畳店)

ひのさらさクラスを見て意見交換
ひのさらさクラスを見て意見交換

・素晴らしい内容でした。製織体験が特に良かったです。生産者の皆様が親切丁寧に指導して下さり、私自身も新たな発見もあり畳表の知識不足が多い事がよくわかりました。今回の研修で得た経験を活かして、より良い店作りに努力していきます。(大坂府 S畳店)

 

・現状を明確に点数化する事により「やるべき事」等が分かり、目標設定も出来、経営計画書を作る事ができました。製織体験では選別から仕上げまで体験させて頂きましたが、加湿による水分加減の難しさ、仕上げの地味な作業でありながらの繊細で妥協しない姿勢には感動致しました。生産者の思いを伝えられるよう頑張ります。(埼玉県 G畳店)