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肥後物産通信2月号 「平成29年第2回 産地研修報告」

 第2回産地研修 2月9日(木)〜10日(金)は関東、東海、関西、四国、九州より23名の畳店様が来社されました。第1回と同じ内容で、初日の基本コースは、品質の見分け方を中心に行い、応用コースは品質の良い物が選ばれるための経営計画書作成を行いました。2日目の体験は実際に畳表を製織してもらい、同じ織機で織ってもそれぞれの生産者の工程や手間のかけ方で、畳表の品質に違いが出てくる事を体験して頂きました。

 この度の製織体験にご協力頂きました、前橋様、早川様、吉田様、上本様、また研修会・製織体験において、より深い専門知識を紹介頂きました森崎様には大変お世話になりました。

 

◎実施日:平成 29年2月9(木)〜 10日(金)

◎参加者:23名

◎目的:トップクラス生産者の製織作業を体験する事で品質の説明により幅を広げ、お客様への価値提案力を高める

◎目的の達成度(平均 91% アンケート集計)

◎研修内容

 1、品質勉強会(基本コース 15名、応用コース 8名)

 2、生産者の製織作業体験、圃場見学

 

<コメント> 

・同じ長さの草で根の長さが、長いものと短いものによる品質の違い。保管の仕方、湿度、水分、何よりも感じたのは生産者の意識によって出来上がる製品に差ができるという事。生産者の吉田さん宅の研修で、まず1番驚いたのは仕上げです。妥協なき仕事に対する姿勢には感服いたしました。
今回のこの研修に参加し、志の高い人達から大変刺激を受けると共に、産地・商社・畳店・エンドユーザーの四方良しの経営を目指し、今後も勉強し精進していきたいと思います。今までの勉強不足を痛感した2日間となりました。最後に吉田さんがおっしゃった「頑張って売ってください」の言葉に応えられるよう頑張ります。(埼玉県 G畳店)

 

・畳について、その材料であるい草について学び、それを育て織られる農家さんと実際にお会いしたり問屋さんによる良い畳表の選び方を教えて頂いたり、とても充実した研修会でした。実体験に基づいた学びができると感じました。(埼玉県 M畳店)

・座学では新しい知識を教えて頂き、ありがとうございました。実技の加湿具合の程度が理解できた。初めての製織体験に感動しました。(山口県 A畳店)

 

・初日、い草の発芽のしくみ、製織者のタイプ別工程が特に興味を持って勉強できた。

知らなかった事がたくさんあり、たいへん勉強になった。時間不足を感じた。い草の品種の見分け方(畳表)はできないだろうか。畳屋として知っておくべきい草、畳表の基礎知識もあったらいいな。

2日目、寒くて集中力が足りなかったのは自分の反省点。細かな質問にも丁寧に答えて頂き、感謝します。(山口県 A畳店)

 

・今回2回目の参加でしたが、2回同じ勉強会を受けた事で、前回あやふやだった箇所の理解ができました。製織体験も前回と違う農家さんを訪問したので、農家さんによる製織作業の違いなどを体験でき非常によかったです。また、懇親会の場で農家さんや他の畳店さんとお話しでき、とても勉強になりました。(岐阜県 M畳店)

・細かい事が分かって良かった。(鹿児島県 N畳店)

 

・良い企画だったと思います。前橋様のお人柄がよくわかりました。畳表と同じで素晴らしい人でした。ありがとうございました。(兵庫県 A畳店)

 

・仕事を気持ちよく納める為には、お客様に納得していただけるような説明が出来るようになる必要があり、その為の知識を大量に仕入れることができた有意義なものになりました。畳表の補修の方法も習うことが出来、参加してよかったと思える内容でした。(大分県 S畳店)

 

 

・初日勉強会では基本コースと違った話を聞き、良いイ草を知るだけでなく自社を知るきっかけができたと思います。今後、説明だけでなくお客様の要望を取り入れながら国産表を提案できる様にしていきたいという思いになりました。

製織体験では、折れイの処理などの大変さも知る事ができ、勉強になったと思います。(積雪の関係で早々に帰ったのでもっと見たかったです)(大分県 A畳店)

・初日勉強会では色々な畳店様の意見を聞く事が出来、参考になった。製織体験では農家様によってやり方が違い勉強になった。(千葉県 N畳店)

 

・応用コースを受講した事で、これから対応していく経営革新、ものづくり補助金に活かせる内容であった。

今後はさくら・さらさを売るための成功要因を帰ってしっかりおさらい、自習し、今後の説明・販売につなげていきたいと思います。製織体験を通して、農家様の熱い想いや絆を深める事ができました。(奈良県 F畳店)

 

・初日の勉強会は進めるごとにいろいろな意見が出て、畳店様毎のいろいろな考え方が聞けたのが良かった。製織体験は工程の細かい部分に農家さんのこだわりがある事、作業のやり方次第で仕上がりに大きな差が出る事がわかった。(熊本県 M畳店)

 

・内容は良かったです。もう少し皆さんとディスカッションできたら、もっと良かったと思います。(長野県 M畳店)

 

・品質の見分け方の理解度が増しました。製織体験ではより良い畳表を作るための細かな工夫や、生産者のこだわりなどが知れて良かったです。(長野県 H畳店)

 

・大変勉強になりました。商品(い草)を知っているようで、知らない事がたくさんあり、知識と自信になりました。お客様への提案の幅が広がりました。(大分県 S畳店)


第1・2回研修を終えて

 初日の基本コースは、品質の見分け方を中心に行い、応用コースは品質の良い物が選ばれるための経営計画書作成を行いました。半日で成果を高めるために、ITコーディネータ協会が提供する経営戦略策定の「経営者研修教材1日版」、「ビジネス競争力自己診断ツール」などを活用して進めました。 

 

 第1・2回と畳店様の様々な考え方に触れることができましたが、成果を出し続けていらっしゃる方には、学ぶべき点が多々あり、また、この人たちにほぼ共通している点は、目標に対しての「情熱」が高く、「謙虚で感謝」の姿勢がある事を感じます。

 それと本人はじめ家族や社員まで産地研修に参加・派遣され、見積りや接客の品質を高める姿勢や、時代に応じたホームページ作成などへの投資も、それが「進むべき道に必要な事」として、投資をしていく「勇気」があるように思います。

 

 「情熱・謙虚・感謝・勇気」これらを高めた姿勢は、なかなか真似が出来るものではなく、結果的にそれぞれの地域において、このような店が「活気ある店」となっているように思います。他店との差別化といって、商品に差別化を求める事も必要かもしれませんが、目に見えにくいこれらが様々なシーンで、入りやすい店舗やホームページ、接客、見積り時の説明力、電話対応、地域とのつながり、などで表れ、比較優位を生んでいるのかもしれません。

 

 またどの店も「機会」や「脅威」となる点がある中で、「機会」に集中され、第1・2回コメントにあるように、「まだまだ学べる事があって、即実践してみたいことも得られて・・」などと可能性も信じる力が強いように感じた次第です。

 また研修参加でリピータの方の中には、「私はこの研修会は懇親会がとても価値があるように思います。自分とそれぞれ違う環境の中で、一所懸命に頑張られている人との話しは、違う見方や考えに触れる事ができて、それがとても良いです。」といった内容のコメントも多く頂きます。

 

 これからも是非、多くの方に産地まで来て頂ける事を期待しています。

(雪が舞う大変寒い中ので研修となりました。)