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肥後物産通信4月号「産地状況とせとなみ生育報告」

先刈り後の杭立て風景(4月18日撮影)
先刈り後の杭立て風景(4月18日撮影)

■産地状況

 4月下旬となりい草の茎数も増え、鮮やかな緑色となってきました。生産農家では除草作業を行った後、有機質のボカシ肥料等を施肥される姿が見られます。また先刈り作業も始まり、その後は杭打ち・網張りなど圃場作業が忙しくなる事から、畳表の生産は徐々に減少傾向となっています。

 

 市場出品は平均60点程となっています。品種では涼風が約5割を占め、出品内容では長イ率が低い傾向から、本間類の割合は例年の3〜4割と比べ3割弱程度と少ない状況です。相場は3月よりも荷動きが出ており、また今後の出品減少を見越した手当もある事から、草質の良い品物や売れ筋のクラス、また下級品は全般に強含みとなっています。

ひのみどりとせとなみの生育風景
ひのみどりとせとなみの生育風景

■せとなみ生育報告

 2月号でお知らせしました在来品種「せとなみ」の生育状況です。写真はひのみどり約30a、せとなみ約10aの圃場です。現在1株あたりの茎数は80本程となり、茎長も膝下40cm程となっています。い草の姿ではひのみどりは緑色が淡く真っ直ぐ伸び、せとなみは青みが濃く一回り大きく見えます。

 この圃場の刈り取り時期は7月15日頃の予定で順調に生育中です。

 

 

小島貢さん 選別風景
小島貢さん 選別風景

■生産者のご紹介

 第4回目は小島貢さん(30歳)です。八代郡氷川町で家族3人で131aのい草栽培と90aのキャベツ栽培に取り組んでおられます。

 

 貢さんは高校卒業後、東京の農業大学短期大学部へ進学し、生物生産技術学科で主にお米の栽培・研究について2年間学ばれました。卒業後は帰郷し、長男であることから小島家を守るため20歳で就農、今年で10年目を迎えられます。

 

  • 栽培品種:涼風47a、ひのはるか84a
  • 織機台数:中村式4台
  • い草選別:7段階(4段階を畳表生産、残りは原草販売)
製織風景
製織風景

Q:大変と思う事は?

A:自然を相手にする仕事なので天候に左右される事と、い草栽培は体力が必要と思います。

 

Q:良かった思う事は?

A:家族3人で協力して頑張れること。

 

Q:伝えたい想いなど

A:現在、長さ選別と製織作業を担当しています。経糸や肥料など畳表生産に関わる経費も上がっている事から、少しでも平均単価が上がるように高品質な畳表生産に取り組んでいきたいと思います。

本間麻綿W(ひのはるか)
本間麻綿W(ひのはるか)

Q:その他、こだわりなど

A:良い畳表は良いい草からなので、土作りに力を入れています。い草が連作障害を起こさないように、3年作ったら休ませるローテーションで輪作体系を行っています。

  畳表は人の肌に触れるものですから、安心と安全を心がけ、皆様に喜んで頂きたいという願いと、私達の親から子へと長い間に培われたものも一緒に紡いでいます。皆様の安らぎとだんらんの場にお役に立てば幸いです。
 お気づきの点がありましたら取扱店へお知らせ下さい。