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肥後物産通信12月号「産地の変化と対応について」

弊社での出荷の様子
弊社での出荷の様子

 来週には12月中旬となり、まもなく植付け作業も終わり生産も再開されます。さて今年を振り返りますと、産地では昨年は約1割の生産者がやめられ、秋は供給不足となってしまいました。つい数年前まで「注文すればいつでもある」という時代から大きく変わってきているように思います。人気の生産者の製品は順番待ちとなり、また、秋は中級品以下においては「相場が高いというより、ものがない」という状況となりました。

 

 また運送業界ではネット通販の拡大により人手不足は深刻なようです。一度集荷に来られたあとの追加の集荷は難しくなっています。集荷時間も少し早くなってしまいました。特に12月は通常の月の1,5倍に物流量が増えるといいます。ターミナルなどでの積み残しなど、配達が遅れる事はこれからも起こる事かもしれません。余裕をもった発注や、在庫を持つ事など時代や状況に合わせた対応が、これから求められるように思います。 

 

植付けの様子
植付けの様子

 さて、営業で全国を回っていると、消費地からは「こんなに個人やアパートの仕事が少ないのになぜ相場が上がるのか?」という声も聞かれます。

 一方、数年前の産地においては「こんなに農家が減っているのになぜ相場が上がらないのか?」という声も聞かれました。

 

 急激な変化の時には、お互いに販売現場や生産現場を直接、見たり聞いたりすることが重要に思います。

 

  

  一方で、近年の産地での勉強会に参加される方は増え続け、産地を見てその変化を感じた方々は、販売単価の見直しや、強気の仕入れと品質の良い在庫確保で成果に結びつけていらっしゃるように思います。

研修会の様子
研修会の様子

 

 秋に行う弊社研修会の中で過去3回の講演会でも、お話し頂いた方々に共通しているメッセージは「在庫を持つ事が良い提案に結びつく」という事でした。「施主に提案する時に在庫を持っていれば、その商品を見ている事で相手への伝わり方が大きく違う」など、今年の講演会では在庫を持つ理由を5点ほど話されました。 

 

 「在庫はリスク」と考えるのか、「在庫はチャンス」と考えるのか?これは店により判断が分かれるところですが、見分け方の勉強を重ね、商品知識が豊富となり「勉強したことを試したい」という姿勢のところは在庫を持たれる傾向です。更に知識だけに限らず、ツールや良い品が売れていく仕組みの整備があると、なお在庫の効果が発揮出来るのではないでしょうか。

情報通信白書の図
情報通信白書より

 来年春の産地研修の応用コースでは「いかに良い品が選ばれる仕組みを作るか」をテーマとして行いますが、仕事が多いところに共通する事として、消費者の購買行動プロセスの中での「注意→関心→検索→比較→検討」の部分に対しての仕組みが優れている傾向で、ここを磨く事で「在庫はチャンス」という事が生きてくるように思います。

 

 環境変化に対応できる業務遂行能力を高める事が競争力を高める事につながると思いますが、環境変化としてあげられるのは、例えば、和室が減少し、最近は「畳替えをされる施主は、枚数が少ないがために数年後の品質の違いが分かると良いものを選ぶ傾向になっている」という事が1つあると思います。また産地の縮小で「思う商品がすぐ手に入りにくい」という事もあるでしょう。

 

 このような環境変化に対応した「提案の方法や価格設定」「品質の良い在庫の確保」などが仕組みとして必要になってきているように思います。また研修会などで皆様のご意見をお聞かせください。