■産地状況
1月中旬となり全般に製織作業が再開されています。農協市場の初入札は1月11日(火)約90点の出品で開催されました。品種では涼風が約5割、出品内容では五八麻類が中級品クラスを中心に約5割を占め、本間類が約3割、五八糸類が約2割の状況でした。現在、売れ行きは落ちついており必要分の手当となっています。
■泥染めしていない畳表のご案内
◎無染土販売の趣旨
「これからの熊本産地の若手・後継者の事を考えますと、染土のホコリによる作業環境の改善が必要に思い、少しでもクリーンな環境づくりにつなげたい事が生産と販売の趣旨です」
昨年は栽培面積が10アールで生産枚数が少なかったこともあり、ご案内前に全て完売となった事から、本年は20アール分を栽培して頂きました。品種は夕凪です。今年で販売開始から6年目となり、品質も年々良くなっていると思います。限定枚数商品となりますので、是非お買い求め頂ければと思います。
◎特徴やデメリットなどについてはこちらをご覧ください。
■生産者のご紹介
今年度から特集記事として、弊社がお世話になっている生産者の方々をご紹介していきたいと思います。
第1回目は 上本修久 さん(46歳)です。八代郡氷川町網道で父・母・妻の4人で1.6haのい草栽培に取り組んでおられます。上本さんは高校卒業後、福岡県久留米市にある、農林省園芸試験場(現:九州沖縄農業研究センター)で農業技術研修生として2年間の寮生活をしながら、野菜・茶・園芸分野などの栽培技術や防虫対策などを学ばれ、平成8年4月から就農されました。今年でい草栽培26年目を迎えられます。
- 栽培品種:ひのみどり140a、夕凪20a
- 織機台数:中村式6台
- い草選別:9段階(6種類を畳表生産、残りは原草販売)
「就農した当時を振り返ると、中国産畳表の台頭から国産畳表の相場が低迷しており、父親にすると大変厳しい時期だったと思います。ただその当時、相場の事などまだ何もわからず、また妻と平成9年に結婚して、目の前のやらなくていけない事をするのが精一杯でした。今思うと、い草農家が良かったといわれる時代を知らないままにやってきた事が逆に良かったかもしれません。」
伝えたい想い「環 〜めぐる〜」
「い草栽培また農業という仕事をさせてもらっているうえで、あと20年、できれば25年と考えた時、環境維持やサスティナブル(持続可能)をテーマに取り組んでいます。輪作体系はもちろんのこと、環境浄化微生物(ヨーグルト、乳酸菌飲料、イースト菌、黒砂糖等を発酵させた液体を田圃に散布して微生物の活性化を促し自然浄化力を向上させる)を使った農法もその一つです。土壌ではなく土中改善、人間でいえば腸内環境を整えるようなものでしょうか。田んぼから川に流れ出る水も、魚や生き物に安心・安全であってほしいし、消費者の方々には天然素材のい草畳を安心して使ってもらいたい。その想いは巡り巡って私達に還ってくると思って日々努力しています。」
■産地研修開催中止のお知らせとお詫び
2月の産地研修開催について現在のコロナ感染拡大の状況をふまえ検討しました結果、開催を中止することに致しました。
およそ2年ぶりの開催で楽しみにされていた皆様、また既に交通機関や宿泊ホテルの予約が完了している方々には、大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
今後の収束状況次第となりますが、4月もしくは5月頃を予定しまして、改めて産地研修を企画したいと考えております。
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